zoikino!

機体説明 制作者のコメント コメント

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【ストーリー概要】

天空民(ソラノヒト)。
天空(ソラ)を根城とし、かつて世界を高度な文明で支配していた民族。
ソラシティと呼ばれたその天空都市は、ディガルド武国の侵略により、地上へと墜落。
墜落の刹那、ギルドラゴンに乗り難を逃れたソラシティの住民は地上での生活を余儀なくされていた。

ジーン討伐軍の活躍により再び安寧の日々を取り戻した世界は徐々に復興を遂げた。
キダ藩統治下、城塞都市ズーリでは多くのソラノヒトを受け入れ、地上での生活の支援を行なっていた。
そんなある日、キダ藩藩主のラ・カンの元にこんな噂が届いてきた。

「他の大陸でディガルドが復活した。」

キダ藩には激震が走った。
また悪夢が繰り返されてはいけない。

誰もがそう思ったが他の大陸など行ったことがない。そもそもこの大陸に海を渡る術などないのだ。

「なにか手立てを打たねばならない。」

ズーリの民やソラノヒトであるプロメ達と日夜話し合いを繰り返すが、その術はない。
外の世界のことが書かれた記述もソラシティ崩壊とともに消えてしまった。

しかしそんな時、ラ・カンの元に訪ねてきたのはかつての戦友であるロン・マンガンと元ディガルド武国兵士であったフェルミだった。

彼らは1つだけ他の大陸に渡る方法があると言った。
それは「もう1つのソラシティに行くこと」だった。

ソラシティがもう1つ存在する。
プロメ達ですら知らないその事実に一同からは困惑の声が上がるが、ロンはそれを制止し、ロンとフェルミのたった2人だけの【秘密】を話し始めた。


【機体ストーリー】

ソラにはこんな言い伝えがあるという。

『天空の心臓(ウラノスハート)に触ってはいけない。』

ウラノスハートとはソラシティが空中に浮くために必要ないわばメインエンジンのようなもの。
かつてのオーバーテクノロジーの産物と言われ、現代の技術では瓜二つのものを作ることができないとも言われている。

ソラシティ『ラムーダ』

10歳にも満たない少女は母に連れられ仕事場に来ていたが、母親がトイレに行っている間に誤って迷子になってしまった。
ここはソラシティ最深部。
技術職のエンジニア達にしか入れない未開の場所だ。
そんな場所に年端もいかない子供が迷い込んだらどうなるか、検討することは容易い。

「うわぁ、綺麗………。」

迷い込んだ部屋で少女が見たものは様々な色に輝く大きなクリスタルだった。
ゆっくりと近づく少女。
無論これがウラノスハートなどということを少女は知らない。

指先を伸ばした刹那。
眩い閃光が少女を包み込む。

「お母さん……。」




「…………ねぇ、大丈夫…??」

次に目を覚ました時、目の前にいたのは自分よりも少し年上の男の子だった。

「僕はロン・マンガン。君の名は?」
「私の名前は……ラムーダ・リラ・フェルミリア………。」

その名前を言ったとたん、目の前のロンと名乗った少年の目が見開く。

「君、その名前………。」

彼のその言葉でハッとなる。
「この名前、誰にも教えちゃいけないってお母さんに言われてた……。」

彼女が名乗った名前、それはある一部のソラノヒトのみに受け継がれる、真の名。
それは天空の方舟【ギルドラゴン】を動かすための暗号。

学者の父を持つロンは瞬時にそのことを理解していた。
そしてさらには

「君、ここのソラシティの住民じゃないね。」

と続けざまにそう言った。
真の名の最初の言葉の意味は街の名。

方舟が行き先を間違わぬように1番最初には街の名が付いていると学者の父は言っていた。
残念ながら『ラムーダ』というのはこの街の名ではない。

「とりあえずここにいては危険だ。」

ロンは彼女の手を取った。

フェルミ7歳、ロン12歳。

それが2人の出会いだった。

2人はそのことを誰にも言わず秘密にしたまま大人になり、そして戦い、再び一緒になった。
先の戦闘で両足を失ったフェルミはその脚を義足に換えながらも生き続けた。
もしかするとあの戦闘から生き長らえたのはこの日の為かもしれない。

そしてズーリ郊外に佇むギルドラゴンのコックピットに入った。

「我の名はラムーダ・リラ・フェルミリア」

皆が彼女を見つめる中静かにその名を告げた。

もう、同じ過ちは繰り返さない。
様々なものを犠牲にした彼女の心はもうディガルドにいた頃とは違った。
ディガルドをここまで強大な力にしてしまったのは少なからず自分の責任である。
彼女を駆り立てたのは自責の念だった。

咆哮をあげるギルドラゴン。
だが、翼を羽ばたくことはしない。

その刹那。
立っていられないほどの大きな揺れが襲う。

しかし揺れたのは地表ではなく、ギルドラゴンそのものだった。

「一体、何が起こったの……。」

顔を上げ、正面のモニターを確認するのそこには

『緊急発進、迎撃せよ』

と言う文字があった。
そして映し出されるギルドラゴン内部の地図、その中のある場所が赤く光り出した。

「これは、僕たちが入ってきた格納庫…。」

隣に佇むロンは静かに呟いた。
この場所に何かがあるに違いない。

格納庫に向かった一行はその視線の先に映ったモノを凝視した。

「あれはいったい……。」

隠された扉の先鎮座していたのは見たこともない翼竜型のゾイド。
そいつは、かつての世界を混沌から救い出した青年の護衛を務めていたという「翼の男爵」達が乗っていたとも言われている。
その驚異的な運動性能からソラシティでも復元を試みたが成功しなかったという。
それは悪夢を切り裂く嵐の刃。
名を【ストームソーダー】という。

通常とは違う純白の色をしたその機体はまるで今完成したかの如く美しく、そして神々しく鎮座していた。

「あの娘が呼んでるわ。」

ゆっくりと歩み寄るフェルミ。
彼女を待ちわびていたかのようにゆっくりとコックピットへの道を開く。

「私にまた空を飛べっていうのね。」

フェルミは静かに微笑んだ。

【機体解説】
かつて天変地異の際に、ギルドラゴンを護衛するために造られたストームソーダーの強化型。敵対勢力が使用していたギルベイダーのビームスマッシャーに耐えうるために、軽量ながら硬度の高いメタルZiのコーティングが施されている。
中でも「青いトップソード」と、「ストライククロー切替型2連装パルスレーザーキャノン」を装備しているのはかつての隊長機の証であり、ギルドラゴン護衛の最後の砦として格納庫に収容されていた。

現存する機体はこの一機のみ。
存在を知っていたソラシティは何度も復元を試みたが、限定ながらもオーガノイドシステムを積んでいたストームソーダーを復元することはできなかった。
ウイングソードはフェルミの願い出により、バイオケントロが装備していたビーストスレイヤーに変更されている。

スタンドリバー会戦の際にストームソーダーのテストショットが発表され、「よし、作ろう。」と決めて作った作品になります。

ただし、ジェネシスの世界観の中での扱いが難しい機体だったため、設定を考えるのに苦労しました。
読者の方の『フェルミが闘っているのが見たい。』というヒントから「もしストームソーダーに乗るならフェルミが適任だろうし、ソラシティの機体ということなら設定に無理もないだろう」ということでこの設定になりました。

今回の作品も特に改造を加えていないいわゆるカラーバリエーション機体になりますが、ソラシティの機体という神々しさを出したかったのでデカール盛り盛りにして、古代文明の文様を意識してみました。
フェルミが乗る機体なら、きっとウイングソードよりもビーストスレイヤーの方が専用機感が増すと考え、最終段階で変更しました。

Raptorさんから6作品目のご投稿で「ストームソーダー 【ソラカスタム】」をいただきました!

HMMストームソーダーをゾイドジェネシスのソラ仕様にした作品で、ソラゾイドの特徴である神々しい白い装甲と、パイロットのフェルミのこだわりを感じるビーストスレイヤーが印象的な作品です! 今回はショートストーリーも投稿いただいて、その物語を具現化したような説得力のある作品に仕上がっています。物語もファン待望の展開で続きが気になりますね・・!

本作品の最大の特徴はやはり、ソラ仕様のホワイトの装甲と、アクセントになるブルーとゴールドのコントラストです!加えて、写真の背景がブラックなので、作品の神々しさがより際立っているのが良いですね。作品のクオリティはもちろんですが写真の撮影技術も素晴らしいです!

鮮やかな発色はカラーレシピが気になるところ。完全なソラ仕様にするため、目のクリアパーツもクリアブルーに置換されていて、初のクリアパーツの生成だったそうですが、とても綺麗に作られていると思います。目が作品のアクセントとなる適切なクリアブルーの濃さも良い感じ。
全身には市販のゴールドデカールを使用されていて、やりすぎ一歩手前のボリュームは、ソラゾイドの全身に描かれたゾイド文字を連想しますね。実際にソラ仕様のストームソーダーが発売されたら本作品のような仕上がりになっていそうです。

オリジナル要素としては、「バイオケントロ」の「ビーストスレイヤー」を装備しているところで、パイロットになるフェルミの想いが作品から伝わっています。ゾイドジェネシスを見た人には非常に魅力的なポイントで、この1点を見るだけで作品の背景にあるストーリーが頭の中で展開され、本作の虜になってしまいますね!

Raptorさんは素敵な作品のご投稿ありがとうございました!
またのご投稿をお待ちしております!

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