ブラッディ・オーガ制作:Raptorさん
スペック
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機体説明
【ストーリー概要】
西方大陸戦争時にその恐ろしい機体性能からパイロットがいないとされ格納庫に放置された『獣鬼』。
傭兵アーバインが乗りアイアンコングPKから基地を守ったのは歴史上の事実であるが、実はもう1つの事実が存在していた。
それは共和国がオーガを完成させる前に『試作品として作ったオーガが存在する』ということだった。
それは共和国の上層部でも一部の開発者だけしか知らず、大統領ですらその事実は知らなかった。
試作品のオーガはOSの割合が多く、コンピューターのコントロール制御を無視し凶暴化。
燃料が切れるまで暴走を続け、開発施設の破壊と技術者14名の命を奪った。
その事故から生き残ったメンバーから事情を聞き、事実を知った上層部の人間はそのオーガを遺跡の地下に封印することを決めその作戦は秘密裏に行われた。
しかしそれから月日は流れ、封印した遺跡一帯をネオゼネバス帝国が侵略、封印された真っ赤なオーガを発見してしまう。
ネオゼネバス帝国はOSの研究を進めるためにそのオーガを鹵獲するが、当時の共和国技術者が粋を集めて作った機密暗号プログラムが解読できなかったことと、誰も動かせるパイロットがいないことから「時空間戦闘協定」を結んでいるディガルド武国へと早々に引き渡された。
その後ディガルドに渡ったオーガはOSを搭載したバイオゾイド開発のために研究対象となるが、ネオゼネバス帝国が解読できなかったものをディガルドが解読できるわけもなくその研究は早々に打ち切られ、帝都ヴァルハラの格納庫で長い眠りにつこうとしていた。
しかしその半年後、とある青年と出会うことでオーガの運命は大きく変わるのだった。
【機体ストーリー】
激化するディガルドの侵略。
対ディガルド組織「解放戦団」は敵の主力機であったバイオヴォルケーノマークIIを倒すためにゾイドの機能を麻痺させるガスが発生し、付近には火砕流が流れる危険地帯通称「死の谷(デスバレー)」を進軍することを決める。
死の谷の中をゾイドが自由に動けるのはせいぜい1時間。
谷を抜けきるにはギリギリの時間だった。
だがしかし半分を進んだところで待ち構えていたのはバイオヴォルケーノマークIIを主力とするディガルドの大部隊だった。
ゾイドが麻痺していく中での戦闘。
リスクが高いが、向こうも同じ。ここで戻ったところで逃げ切れる保証はない。
解放戦団は戦うことを選んだ。
そして激しい激戦の中、ついにヴォルケーノマークIIがバランスを崩す。
「今だ!!」
地中に隠れていたケイトのブラッディ・ロクロウは勢いよく飛び出しヴォルケーノマークIIに向かって突っ込んだ。
決まった。
誰もがそう思った瞬間だった。
地中から新たな大型バイオゾイド「バイオスティンガー」が現れたのだ。
その強大な力に撤退することを余儀なくされた解放戦団の面々。
しかし全員は確実に逃げられない。
そう思いながらも皆が背をむせて逃げていく中、その場にとどまった機体が1つ。
ケイトの乗るブラッディ・ロクロウだった。
「みんなの事を頼んだぞ。」
それが皆が聞いた最後の通信だった。
ディガルド武国首都、帝都ヴァルハラ。
ケイト・ブラッカムは死の谷(デスバレー)での戦いで愛機のブラッディ・ロクロウを失いさらに瀕死の状態で倒れていた。そんな彼を助けてくれたのは、かつての旧友であったガンダーラ王国元衛生班のミレーアだった。
彼女はガンダーラ崩壊後にディガルドに捕まり、ディガルド女性衛生兵団に編入させられたとのことだった。
いわばケイトとミレーアは現在敵同士。
本来敵を助けるなど御法度であるがミレーアはケイトの応急処置を済まし彼を帝都ヴァルハラへと運んだ。
しかしその事実がバレてしまい、彼女らは囚われの身に。
彼女達に逃がされるように地下通路へと放り込まれたケイトはひょんな事からオーガのいる格納庫に入り込んだ。
そこで彼は紅く血塗られたようなオーガを目撃する。
【ディガルドに囚われた大切な彼女たちを助けたい。】
その一心でオーガによじ登り、コックピットへと入ったケイト。
しかし当然のことながらオーガは動こうとはしない。
「くそっ、動け!動けゴジュラス!!」
彼の思いは届かず。
ピクリとも動かず、モニターにも光は灯らない。
彼は最後の可能性として愛機から唯一取り出すことができた父親の形見でもある戦闘データメモリーをゴジュラスにセットした。
優秀なガイロス帝国兵だった父。
出撃する前日の晩、まだ幼かったケイトにこう言った。
『ゴジュラスってのはさ、ありゃやべえゾイドだ。敵国のゾイドだけどよ、死んでもいいからいつかあいつに乗ってみてぇよ。』
そう言って出撃したものの、父が戻ってくることはなかった。
そんな父の想いが詰まっている戦闘データメモリーを入れても微動だにしない。
彼は力一杯メモリーが入っている付近を叩く。
ゾイドを生産する術がないこの世界では、ゾイドが乗り手を選ぶという。
かつて別の大陸でディガルドを討伐した、姿を変えるライガーに乗る少年もそのゾイドに選ばれたというぐらいだ。
心の叫びか、魂の叫びか。
「今乗ってんだぞ!動かしてみろよ、てめぇが死んでも乗りてぇって言ってたゾイドだろうが!!!」
その声がコックピットに響きわたった時、脈打つ鼓動が暗い格納庫に響き渡る。
真っ赤な目には命が灯り、雄叫びが轟く。
数えきれない時を超えて再び目覚め、『獣鬼』が『鬼神』になった瞬間だった。
ケイトはゆっくりと操縦桿を握る。
「さぁ、行くぞ。親父。」
【機体解説】
共和国によって最初に作られたいわば試作品であり、OSの割合を多くしたことから凶戦士デススティンガーと同等の凶暴さを兼ね備えてしまった。
無論パイロットが乗れるわけもなく、コンピュータ制御システムを無視して暴走、多大な死者と損害を出した。
主武装は背中のロングレンジバスターキャノンであり、その装備は陸上を移動できるゾイドでは最高クラスの射撃能力を誇る。
のちに、ロクロウ社元技術設計主任のタケルと、鍛治師の街ローグのディルによって内部システムをチューニングが行われ、実在する共和国ゾイドの初のロクロウカスタムとなった。
主な変更点は近接格闘範囲の拡大と、バックステップ機能の追加である。
中でも足回りをチューニングしたことによる機動力の大幅アップは優れたものであり、ほぼ真下にある対象物に対してバックステップしながらバスターキャノンを当てることができるようになった。
コメント
Raptorさんから5作品目のご投稿で「ブラッディ・オーガ」をいただきました!
HMMゾイドのフラッグシップであるゴジュラス・ジ・オーガを塗装した作品で、組み立てるだけでも大変なキットですが、丁寧に塗装されていてさらに格好良くなっています!
カラーリングは昔、ゲームセンターなどに設置されていた「ゾイドインフィニティ」のカラーバリエーションとのことで、「ゾイドインフィニティ」の猛者だったRaptorさんの愛機を再現したものになるのでしょうか。
超大型キットでも丁寧に塗装されていて、細かな塗り分けはお見事!特にゴールドとシルバーのアクセントが加わることで、マッシブな金属の塊感が出ているのが良いですね。
塗装には3ヶ月を要しているとのことで、ツイッターで塗装されている様子を拝見していると、組み立てながら塗装を実施されているのが印象的でした。
私は1度組み立ててから、目に見える部分を調整して塗装する派ですが、組み立てながら塗装を行うと、細部まで丁寧に処理できそうですね。その分、大変な時間と集中力、気力を要しますが、3ヶ月間モチベーションを継続されたのは凄いです。やはり過去の愛機だったのが影響しているのでしょうか。
私は実際に展示会で実物を拝見していますが、丁寧な仕上がりはお見事で、HMMゴジュラスの改造作品の中でもトップに丁寧に塗装された作品だと思います!Raptorさんのゴジュラス・ジ・オーガに対する思い入れが伝わってくる素晴らしい作品です。
Raptorさんは素敵な作品のご投稿ありがとうございました!
またのご投稿をお待ちしております!