zoikino!

全長/ 24m
全高/ 10.5m
重量/320t
最高速度/ 85kt

武装:
マルチソニックブラスター ×1
AZハープーンランチャー「エーギル」×1
AZ105mm収納式リニアガン ×2
AEZ-SLBM「バラクーダ」 ×6
AZホーミング魚雷 ×2
AAZ3連装ハイニューバーミサイルポッド ×2
エレクトロンバイトファング ×1
ホロテックレーザーブレード ×1

 ウォルキヌス(以下、本機)はガイロス帝国が西方大陸戦争期に極秘裏に開発したシャチ型戦闘潜水艦型大型ゾイドである。
 その存在は共和国はもちろん、帝国軍内にも極秘とされており、暗黒大陸戦争中期に西方大陸から暗黒大陸への大陸間航海中の共和国特殊偵察海兵隊の発見により公になるまでは、その存在を知るものは帝国海軍上層部と一部の将校以外には存在しなかった。その徹底された秘匿性と後述の理由による個体数の稀少さから、本機には固有の形式番号(所謂EZナンバー)が存在せず、一艦ごとにパーソナルネームが設けられている。

 戦争の長期化と共に大陸間移動と制海権の重要性に注目したガイロス帝国軍は、かつての第一次大陸間戦争時代初期にロールアウトされるも、長年第一線で活躍し続けたウオディックに着目した。西方大陸戦争で新たに発見されたオーガノイドシステム(以降OS)の副産物として、このシステムを用いることでゾイドコアの分裂を促進さる技術を発見した帝国軍は絶滅危機に瀕していたウオディックの個体数再生と実戦配備を計画した。
 その計画と並行して司令部より立案されたのがOS搭載を前提とした新型海戦ゾイドの開発計画である。初めてOSを搭載したゾイド「ジェノザウラー」の性能や戦果を目の当たりにした司令部は、新たな海洋戦力となりうる『ジェノザウラー水中適応版』とも呼べる新型ゾイドの開発を立案した。そこで注目されたのが、暗黒大陸周辺の北方海域に生息するシャチ型の野生体である。彼らは野生体ゾイドには珍しい高度な社会性を備えており、他の野生体ゾイドを凌駕すると言われる知能を備えている。しかし野生の大型ゾイドは個体数が少なく、さらには海中生活型のため捕獲も極めて難しい。そうした問題を抱えながらも開発された本機は、それらのデメリットを払拭するほどの性能と凶暴性、スピードを備えていた。

 本機はシャチ型野生体が本来持っていた高速遊泳能力に加えて、OSによる俊敏性が加わり最高85ktでの超高速巡航が可能となっている。船体も、ウオディックと比較しても2倍以上に大型化されており、スペック上では惑星Ziを半周できる程の潜航時間を有している。反面、最大潜水深度はウオディックに劣り、4000mまでとされる。
 元々の個体数の少なさから大量配備が不可能と判断した上層部は、開発計画の最中であるZAC2100年7月、共和国の新型海空両用ゾイドであるハンマーヘッドがロールアウトされたことにも後押しされ、計画半ばで開発コンセプトを変更。ゾイド至上初の隠密行動を主とする特殊潜水ゾイドへとプランを変更した。元々海棲哺乳類型であった本機は、機体表面の突起が少なくステルス性が高かったためである。この計画変更を受け、主砲を始めとする各種装備は胴体内部への格納式に変更された。また、ライトニングサイクスで実用化された特殊外装塗料「マジェスティックス」と海戦ゾイドでは史上初の搭載となる光学迷彩を装備し、野生体が元々持っていた音波の波形を偏向する性質も伴い極めて高い隠密性を取得した。本機は、実戦配備から実に1年以上の間、両軍のレーダーやソナーですら捉えることの出来ない、文字通り"存在のしない"戦闘艦として君臨し続けたのである。しかしながら、マジェスティックスが数年に一度塗布しないといけないなどの整備面での汎用性の低さや光学迷彩を始めとする特殊兵装の充実さから、一艦当たりのコストが当初の予定以上の莫大な物となり、結果的に終戦までに7艦という極めて少数のみが建造・実戦配備された。
 頭頂部に設置されたマルチソニックブラスターは、名前こそウオディックに装備された物と類似しているが、本機に搭載された物はシャチ型野生体が本来持っている音波によるエコロケーションシステムを転用したものである。通常はソナーの様な役割をしているが、波長を自在に変化させることで音波の収束焦点距離をコントロールし照射することが可能であり、目標を内部から破壊することが可能な本機特有の装備である。
 また、口腔内には大型の捕鯨砲である「エーギル」を内蔵しており、射出後に貫いた対象を自機まで牽引し、最大の武器であるエレクトロンバイトファングで粉砕する戦法を得意とする。
 胴体後方は最大射程4000kmという長大な射程を誇るオニカマス型自立行動式大陸間弾道ミサイルである「バラクーダ」を6機搭載することが可能な格納庫を有しており、戦略的攻撃も可能としている。

 尚、本機7隻のコードネームはそれぞれ
・ウォルキヌス級1番艦『ウォルキヌス』
・ウォルキヌス級2番艦『ディプシーオルカ』
・ウォルキヌス級3番艦『サーガマター』
・ウォルキヌス級4番艦『マリンタナトス』
・ウォルキヌス級5番艦『グランブルー』
・ウォルキヌス級6番艦『ニクスフュルギア』
・ウォルキヌス級7番艦『エーデルガイロス』
となっており、本土最終防衛ラインの海域に配備されたガイロスの名を冠する7番艦『エーデルガイロス』以外の6隻は配備海域すら公にはされていない。

現在の地球で最強の海生哺乳類であるシャチをモチーフにしたゾイドです。
もともと海獣類が好きでリアルでもそれらに携わる事をやっているのですが、ゾイドではそもそも海系の物の展開が少なく、過去に出していた同人誌でも何度か線画デザインをしていたモチーフだったりもします。
作る際には絶対にアイパッチとサドルパッチ(シャチの目の後ろと胴体横の模様です)は再現したかったのと、頭のデザインは何パターンか書き起こしていたものの中から一番気に入ったものを再現したかったので、ほとんどスクラッチになるだろうなぁ…と今まで作れずにいた物でした。小物や武器類は何度か作ったことはあったのですが、本体丸々スクラッチをする勇気がなかったのです。しかし、最近になってエアブラシ導入で模型製作をするモチベーションが高まっていたので、この度ほぼ全身の初スクラッチに挑戦してみた次第です。

■頭部
頭は既にイメージが固まっていたので全てプラ板とパテでのスクラッチ。
一番初めに作り始めた部分でもあり、後々のサイズを同スケールのゾイドと並べて違和感がない迫力ある大きさにしたかったので、ウオディックの頭部と並べてスケールの確認をしつつ作っていきました。
また、コックピットのクリアパーツやアイパッチ部分を展開式魚雷ポッドにしたりと、スペース的にかなり密度の高い構成になっています。
作ってる途中で顎の開閉と連動して捕鯨砲が展開するギミックが出来たのが嬉しい誤算でした。牙は完成後に接着したのですが、上下のかみ合わせがなかなかうまく行かずかなり苦戦したりしました。

■胴体部
胴体部からはほとんど作りながらのデザインです。
帝国らしさのある曲面構成をメインにしたかったので、プラ板の箱組みだけではなかなかイメージ通りに行かず大変でした…。
背中には艦橋のようなサブコックピットを付けるべくロードゲイルから拝借。
また、全体の流線型のボディラインを崩さず、かつ、ゾイドらしい武装を取り付けるために急遽背中の砲塔を格納式にしました。この辺りは設定にも反映できてよかったなぁと…。
背中の艦橋下はイージス艦なんかの多目的レーダーをイメージしていたりします。また、全体のスジボリは細いものが0.3mm、太めのモールドは1mmで彫っています。大型のフィン状のパーツはエレファンダーの胴体から。この系統のディテールは、平成ゾイドから入った自分のなかではガイロス製ゾイドを表す記号みたいなイメージがあるので今回も使っています。

■背ビレ・胸ビレ
オスのシャチの背びれは上方に大きいことが特徴なので、それを再現するために背びれはかなり大型に作っています。水面上に背びれだけを出して泳ぐ事も多々あるため、そのイメージから背びれにブレードを装備させていますが、ブレードを含めると太く歪になってしまうため、透明度の高いアクリル板を切り出して切断面のみ滑らかに削っています。

このアクリル板は集光アクリル板で、ブラックライト下ではかなりの光度で紫に発光しますが通常照明下ではほぼ無色透明なので、ぱっと見はそこまで太く見えなくていいなぁと。
また、せっかくのブレードなので可動式に。収納状態の角度に併せてスジボリをしています。
胸ビレは全てプラ板の張り合わせ。当初はもう少しメカメカしくする予定でしたが、あまり尖らせるとイルカやサメに近くなってしまうため、あえて丸くて大きいシャチのイメージを強く残しています。

■胴体後方部(バラクーダ格納庫)
このブロックは実は頭の次に製作した部分です。ゾイドには水陸両用や海空両用はいても、純粋な潜水ゾイドは少ないと思うので、現実の原子力潜水艦のような(製作中は米国のオハイオ級なんかをイメージして作ってました)、SLBMの発射管みたいなものをゾイドで再現できないかなぁと作り始めたのがきっかけです。
せっかくならミサイルもただのミサイルではなくて魚型を…ということでモチーフはダイバーにも人気のバラクーダ(オニカマス)に。シンカーに付属のコバンザメミサイルを改造して、ヒレの形状や頭部形状をオニカマスに似せて人生初のお湯丸での複製作業。これはなかなか失敗してるので、そのうちリベンジしたいですね!
また、ミサイルは長さと形状的に垂直には格納が出来なさそうだったので斜めにしています。ここでさらに、ミサイルハッチを開けることでミサイル格納庫の底板が迫り出し、ハッチ開放に連動してミサイルの伸縮ギミックを設けようとしたことでさらに構造は複雑化。結果このブロックだけ少し角ばった形状になってしまいました…。
尚、サドルパッチ部分はうまくミサイルハッチに昇華させることができました。

■尾部
尾は某ロボットアニメの竜型の羽から頂戴。これにより尾びれ下の色分けがとても楽に行えました。尻尾の大型バーニアはホエールキングのオマージュ。
またミサイル格納庫と尾を繋ぐ第3ブロックは塗装後に耐久度的に難アリで崩壊。再度作り直すという悲劇に…。基本的に尾の付け根も第3ブロックもほとんどプラ板のパテの塊です。

■塗装
カラーリングは当初からツートン+ワンポイントカラーと考えていたのですが、マジェスティックスの設定を持たせるためにメタリック色にすることに。平成版シンカーのメタルバイオレットがとてもかっこよかったので、それを参考にGXメタルブラック+GXメタルパープル+GXクリアバイオレットで基本色を作りました。
アイパッチやサドルパッチは対照的になるようにホワイトシルバーで塗装。サイクスのイメージもかなり強めに出ています。
ワンポイントカラーも平成版シンカーやサイクスのイメージで赤系統の暗めの色に。
なお、接続部や可動部なんかは全部メタルブラックで塗装しています。

■デカール
デカールは平成版ゾイドに付属していたものから適当にチョイス。
さらに今回はハイキューパーツさんから発売されている鯱のデカールを使用してみました。

世界観的に使用を迷ったのですが、東方大陸の文化もあったりするのでいいかなーと。漢字表記のせいか少し地方のヤンキーの車っぽい雰囲気も出てますが、これはこれで模型の楽しみ方かなぁとw

■スタンド
モチーフの都合上、本体が自立困難な形状なので今回はスタンドも作成。
ベースは某種系ロボットのカタパルトなベースです。せっかくなので、いままで興味はあったけどやっていなかった水中迷彩に挑戦しています。
最初に簡単に塗りわけ。その後水中をイメージするために青で上から塗装。この最、傾向ブルーで塗装し、クリアパープルで適当に濃淡を付けたのでとても鮮やかにブラックライトに反応してくれて、ブラックライト下での写真映えはなかなかよくなったかなぁと。
ただ、最後に白で波紋を書くのが所々失敗しているのでそのうちリベンジしたいなと思ってます。

初の大型スクラッチ作品で、自分のなかでも中々もう少しなんとか出来たんじゃないかなって所も多々ありますが、全体のボディラインがシャチ特有の雰囲気になってくれたのでよかったです。脳内イメージとしては神出鬼没な幽霊船という感じで作りました。また、個人個人が自分のゾイドにネームを付ける描写は漫画版などでは見かけましたが、正式なパーソナルネームを付けるという設定はあまり見かけなかったので設定に組み込んでみました。

柊にうさんから3作品目のご投稿で「ウォルキヌス」の投稿をいただきました!
ほぼフルスクラッチのシャチ型ゾイドとなっていて、ゾイドらしさとシャチのシルエットを
見事に融合させた海獣好きな柊にうさんらしいこだわり抜いた力作になっています!

プラ材などをメインに作成されているとのことですが、
シャチや潜水艦らしい流れるようなシルエットを再現されていて、
メタリックの塗装で光を滑らかに反射している姿には芸術的な美しさを感じます!
その中にジェノザウラーやエレファンダーのような平成ゾイドらしい要素をバランス良く
取り入れたセンスあるデザインの完成度は凄まじく高く、洗練された美しさを感じます!
設定にある通り、海戦でジェノザウラー的なポジションで暴れまわる様子が想像できますね

個人的には装甲に刻まれたラインが物凄くツボで、曲線の多いシルエットと
きっちりとしたラインの対比が格好良すぎて痺れました!
同じく胸ビレ付近のメカニカルなパーツも曲面の装甲に対して良いアクセントになっていると思います
様々な要素を融合させたメリハリあるデザインは格好良すぎて相当な衝撃を受けています!

そのデザインへ豊富なギミックを取り入れていて格納式のビーム砲や
(エレファンダーの平成デザインの武器を使っているのが設定に合っていてまた素敵です)
ミサイルポッドなど、全身のブロックで何かしらの見応えポイントがあり、
頭から尾の先まで見逃せないゾイドになっています

今回も平成タカラトミーゾイドの箱絵風の合成画像も作成されていて
「ウォルキヌス」を拝見しているとジェノザウラーを手に取った時のようなワクワク感が蘇ってきます!

素敵な作品のご投稿ありがとうございました!
またのご投稿をお待ちしておりますー

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