バーニングライガー ゾイドワイルド
製作時間:30分ほど
タカラトミーから発売された「バーニングライガー」のレビューです!
>>動画によるレビューはこちら
ゾイドワイルドサードシリーズの1体目として発売されたのは、ワイルドシリーズ初の帝国製ライガーです。
先にコロコロなどでは"悪のライガー"と表現されていましたが、帝国製ライガーである以外にも特徴的なデザインが多く、その悪っぽい姿はサードシリーズに相応しく、今までのゾイドワイルドとは一線を画する存在感です。
特に大きな特徴としては、「ゼログライジス」のように骨格形態を無くした旧ゾイド風の構造になっていること。
「ゼログライジス」では、まだ骨格風のデザインが目立っていましたが、「バーニングライガー」では骨格らしさが極力抑えられたデザインになっています。
まるで、全身を筋肉で覆ったようなムキムキマッチョになっていて、第3世代では骨から筋肉へデザインの転換が図られるのかもしれません。
ムキムキマッチョの代償として、ゾイドワイルドシリーズの体験の根幹を担っていた「発掘」、「復元」の要素が薄まり、「骨格形態」、「完全形態」、「本能解放」の表現がなくなったのはちょっと気になるところ。
「発掘」と「復元」は言葉が残ったものの、梱包に使われる段ボールから地面を模したモザイクがなくなっていて、「発掘」という体験が薄まっているのを感じました。
ゾイドワイルドらしさが薄まり、過去のゾイドに近づいた気がしますが、「バーニングライガー」のキット自体はムキムキマッチョでクオリティが高く、骨格と本能解放が無くなったことを除けば、ゾイドワイルドシリーズの正常進化系と言えます。
複雑でメカニカルな造形が組み上がっていくのは、今までのゾイドワイルドとは違う感覚で新鮮でした。
また、帝国が開発した新ギミックとして「コアドライブウェポン」を搭載。
背中に大型の武装を取り付けることが可能で、このコンセプトも旧ゾイドの「パワーコネクター」を彷彿するものになっています。
同時発売の「インパクトガトリング」はかなり大型の武器となるのですが、「バーニングライガー」とのバランスが良く、何よりも武器が連動して動くの楽しくて良いですね。
今回は「バーニングライガー」と「インパクトガトリング」の単品とセット、それぞれを購入するつもりでしたが、間違えてセットを2つ、ガトリングの単品を1つ購入してしまったので、今回はセットをメインにレビューして行こうと思いますー。
■個人的に良いところ
ランナーレスの組み立てキット
複雑な塗り分けのキットが簡単に組み上がる
■個人的に悪いところ
ゾイドワイルド独自の体験がなくなって、他のおもちゃと同レベルになった。
■撮影カメラ:NikonD7200
■撮影レンズ:NikonAF-S Micro 60mm f/2.8G ED or NikonAF-S VR Micro Nikkor 105mm f/2.8 G IF-ED
■スピードライト:SB-700(天井バウンス)
■基本カメラ設定:f:8-16、SS:1/60~20、ISO:500、WB:オート
バーニングライガー
箱はこんな感じ。
今回はゾイドワイルドシリーズで初の単品と、武器とのセットに別れて販売されました。
単品のほうは基地の中で待機している落ち着いたパッケージ、セットのほうは疾走するアクティブなパッケージとなっています。
箱を様々な角度から
商品名の部分には、ゴールドのアクセントが施されていて高級感があります。
売り場で驚いたのは、その箱の薄さ。従来のシリーズと比べるとだいぶ薄くなっていて、まるでiPadなどのタブレットのようです。
この密度感とスマートな箱は個人的にはお気に入りポイントです。
▼発掘/組み立て
梱包に関しても、従来のシリーズと異なる新しい要素が取り入れられています。
目立つところでは、従来は「発掘」の体験を楽しめるよう、地面を模したモザイクが施されていた段ボールが、他のおもちゃと同様に無機質なものになっています。
「Z」の文字が入っているのがおしゃれですが、ゾイドワイルドならではの「体験」が薄くなったのことを実感します。
「復元」に関しても、従来の「発掘パック」AとBに続いてCが追加されました。これによって整形色で複雑な色の表現ができそうですね。
難点としては、袋が従来よりも丈夫なものになっていて、手で袋を開けようとすると中身が飛び出しそう。
この部分も従来の「体験」が損なわれていると思います。
▼Z-MANUAL
「復元の書」は「Z-MANUAL」に変更されました。
ゾイドワイルドらしい「復元の書」から、他のおもちゃやスマホのマニュアルを意識したものに変更されています。
それでも、質感は相変わらず高く、フルカラーの組み立て説明書としてクオリティの高いものになっています。
セカンドシリーズの主人公機だった「ライジングライガー」と並べてみるとこんな感じ。
大きな違いとしては、「バーニングライガー」は武装やトゲトゲ感が少ないものの、ムキムキマッチョなパーツと全身に施されたモールドが非常に細かくて、密度感で言うと「ライジングライガー」を圧倒しています。
全体
組み立てはのんびり行って30分ほどで完了。
ムキムキマッチョな動物メカとなっていて、これがランナーレスでパズルのように組み上がっていくのが面白いです。
骨格がなくなることで、従来のゾイドワイルドシリーズよりマッシブなデザインになっていて、アーマーパーツが無いことと、モールドの堀の深さが相まって筋肉感が凄いことに。
全体もライオンのシルエットを丁寧に再現していて、「ワイルドライガー」のようにタテガミが頭から背中まで流れる流線的なデザインも良かったのですが、「バーニングライガー」はラインがより細かく区切られて、より細く鋭いシルエットになっています。
正面から見た時もしっかり目が見えるのが良いですね。
各部
ここからは各部を見ていきます。
▼頭部
頭部には「Z-Oバイザー」を装備。
パーツのレイヤー化によって、複雑な塗り分けを成形色のみで実現しているのが凄すぎる。
頭部は特にクオリティが高く、塗装によるパーツの塗り分けは不要なのでは・・と思えるほどパーツによって色分けが行われています。
タテガミは旧ゾイドの「シールドライガー」と同様に上と下を動かすことが可能です。
注意点としては、上のタテガミはある程度上に上げた状態でないと位置を保持することができません。
デザインはフルリニューアルされているものの、基本構造は「ワイルドライガー」と同じなので、手動で首を下げて威嚇ポーズを取ることができます。
今後、「ワイルドライガー」のように自動で首を下げて、必殺技を出すゾイドが出てくると良いですね。
首の後ろにはライダーが搭乗しています。
このコックピットハッチの名前が「ガーディアンシェル」というようで、名前が格好良すぎる・・!
また、骨格形態が存在しないものの、頭部にはフレームパーツが採用されていました。
口は頭部を上に上げて、ロックすることで歩行と連動して動かすことができます。
手動で動かすことも可能で、こちらは上顎はもちろん、下顎も手動で動かすことが可能。特に下顎については保持力があり、自由な角度で固定することができます。
上顎は下顎に乗っているので、下顎の角度を変えることで頭部全体の角度を変更することもできました。
タテガミの展開方法などは旧ゾイドのようですが、上顎の連動ギミックなどゾイドワイルドを彷彿する不思議な感覚のゾイドです。
▼脚
脚についても骨格を無くすことで、全体的にレイヤー分けが行われていて、シルバーの内部メカと、レッドの彫りの深いパーツが採用されています。
腹部には骨格を意識したモールドが残っていますが、全体的によりメカニカルなデザインにブラッシュアップされていることがわかります。
脚は表と裏で色合いも見た目も変わってくるのが面白いですね。今までのゾイドにはなかった表現です。
爪は「ブロウクロー」という名前になっていて、切り裂き攻撃の他に、パンチを繰り出すことが可能なムキムキマッチョ仕様に。
肩は独立パーツとなっていて、歩行させると筋肉のように動くようになっています。この部分には「ショットガン」と「ミサイル」が内臓されていて、フォルムを崩さないように武器が配置されているのは「シールドライガー」を彷彿しますね。
背中には「バックブースター」を装備。
スライドさせることで取り外すことができて、取り外すと「コアドライブ端子」が出現します。
スイッチとなる起動骨もデザインの変更が行われていて、武器を取り付けるマウント部分にもなるようです。
尻尾については、ゾイドワイルドシリーズでは初のボールジョイントが採用されて、可動範囲は広くないものの、グリグリと動かすことができます。
▼ライダー
ライダーと剰余キャップはこんな感じ。ライダーは他のライガー系とは異なるうつ伏せタイプとなります。
バーニングライガーではシールが付属しませんが、個人的にはあまり気になりませんでした。
「バーニングライガー」は新世代ライガーとして、確実な進化を感じるゾイドです。
気になる点としては、キットを購入して得られる「体験」が他のおもちゃと同じようになってきていて、ゾイドワイルドならではの体験を検討してもらいたいところ。
CDWインパクトガトリング
続けて「コアドライブウェポン」の「インパクトガトリング」のレビューです。
ゾイドワイルドサードシリーズの特徴となるパーツで、ゾイド本体からの動力供給によって連動して動く武器が発売されました。
第1弾はガトリングパーツとなっていて、汎用性が高そうなデザインとボリューム感は今後の改造で重宝しそうです!
「バーニングライガー」に取り付けると様々な角度に動かせるのが良いですね。
機能としても高速ゾイドの背中に乗せたガトリングはあらゆる角度で射撃ができて、とんでもない威力を発揮しそうです。
また、ガトリングにはゾイドの予備キャップを取り付けることができて、なんとも嬉しいポイントです。ゾイドの予備キャップはありがたいのですが、保管をどうするかが悩みどころでした。
今回は間違えて3つ購入してしまったので、並べてみると中々壮観ですね!
「インパクトガトリング」はデザインも優れているのですが、個人的に感激したのは内部構造です!
内部構造は常人では考えつかないユニークなものになっていて、「一定のモーターの回転」を「間隔を開けて高速回転する動き」に変換する発想は素晴らしく、ゾイドワイルドの設計をしているメンバーは天才だと思いました。
仕組みとしては、モーターの回転によって内部の長いツメパーツを弾くことで、ガトリングの回転を実現しています!
また組み替えようのパーツを内部に格納できるようにしているのも嬉しいポイント。
なんだか、「バーニングライガー」よりも「ガトリング」のほかゾイドワイルドっぽい体験を提供してくれている感じがするぞ・・
ゾイドとの接続部分にはギアが多く、初めてみるとびっくりしますが、ほとんど同じギアを使うので組み立てはストレスフリーで楽しかったです。
また、側面には弾倉パーツが付いてくるのもデザイナーさんのこだわりポイントですね。
「バーニングライガー」には脚に4つ、背中に1つのガトリングを取り付けることが可能です。
脚にガトリングを取り付ける場合は、先ほどガトリング内部に格納したギアを使うのですが、構造上右側に取り付けたガトリングは回転ができないので注意。
またゾイドワイルドのライガー系骨格に無改造で取り付けできるのが嬉しいですね。
背中の武器を交換してゾイドを強化するのはゾイドワイルドのセカンドシリーズでもあった構想なので、サードシリーズではこれからどのように発展していくのか楽しみです。
「バーニングライガー」と「インパクトガトリング」のレビューでした。
ゾイドワイルド独特の体験が薄まってしますが、細かな作りは確かにゾイドワイルドの血が受け継がれていると思います。
「バーニングライガー」のキット自体もムキムキマッチョで格好良いですし、これからキット周りの体験をどのくらい拡張できるのかにも注目したいですね。
組み立てと歩行の動画を作成しました。