ゾイド格納庫 展示ルーム Ver.3 |
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コメント | ||||
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・Episode01「Intolerance」 …紅い、アカイ、セカイ。それだけがあたしの原動力だ。 赤と青。二つの鋼鉄が激突を続けていた。…銀色のその空間は、過剰な巨体を支えきれずに震動し続ける。 赤は、獅子。宿した剣を振り翳ししなやかに跳ぶ。重金属の壁を蹴って撓めて宙を舞う。 青は、恐竜。備えた銃口を地上から頭上へと向け、殺意その物の弾丸を纏めて撃ち放つ。 …また、激突。剣と銃とそれぞれ互い必殺の一撃は、ぶつかり弾け有って小さく閃光を撒き散らし。 両者、が。再び離れた位置に着地した所で――――けたたましい機械音のアラームがそれを制止した。 「……んだよ。随分不景気なツラぁしてないか?」 「ほっといてよ」 不景気というよりは不機嫌その物、の表情をした女――いや、どちらかと言えば少女に近い年齢か。 長身の男性に指摘された事には悪態一つ。顔を逸らして歩き出す。 「確かに勝負は付かなかったケドな…それでも大分マシだろう?俺にやられなくなっただけでも」 「それが――嫌、なんだろ。知ってる癖に」一度だけ、振り返り。 「あたしは。このニセモノの機獣達をのりこなしてみせる。そして――そうして、どいつもこいつもぶちのめす。 その為に軍に居る、その為に闘ってきた、その為に…生きてる。それは……変わらない、よ」 彼女の目には明らかに。感情、と呼ばれる中でも特に暗い代物が蟠っている。男性の眉を顰めさせるには充分に。 「…ルティア」 「とにかく、っ。次は――ケリを付けるんだから!」 足早に歩み去る彼女を見送り、男性の方は否応なく嘆息せざるを得なかった。 「――あくまでテストケースだって。…忘れてるだろ、あれ?」 「各員火力を集中しろっ!一匹ずつでも良い、足止めして仕留めるんだ!!」 一喝めいた声に従い、兵士達の攻撃が異形の影、へと次々と放たれる。 対機獣用の大口径砲は次々と着弾し、「ソレ」はバラバラになって弾け飛ぶ―― 「やった!?」 「――――いや!まだ………だ、っ!?」 装甲を引き剥がされ四肢をもがれ、尚「ソレ」は生きている…いや。損傷などまるでしていない。 分散したその体躯は即座に寄り集まり組み合い、新たな姿形を体得して兵士達に襲い掛かる。 「くそ――くそ!この…こ、の!化け物がぁっ!!」 世界は今、危機に陥っている。 主を持たぬ鋼鉄のカタマリ、機械が形作る畸形の生物達が、この中央大陸を跳梁し始めている。 嘗て主戦力であった戦闘機械獣を自然へと帰していた人間達は、彼等に対抗する術を持っていなかった。 ――――そう。今までは、だ。 複数種の生物のハイブリッドであるが故に「キメラ」と名付けられた怪異共。 その幾らかを辛うじて手に入れた人類によって、彼等と同一の性質を持つ兵器が生み出されつつあった。 ――――BLOX。完全な機械兵器。完全に人工のケモノ。 現在は嘗てバラバラの国家だったこの大陸の技術を用いて二系統の試作機が生み出され、 それが様々な試験期間に置かれている段階だった。 …宛われた部屋で寝台に倒れ込んで、闇を、見る。 天井はあくまでも無機質で其処に生命、なんて何もなく――だからこそ落ち着けた。 「………………」瞼を閉じる事をしないのは。其処に焼き付いた情景を見たくない故の事。 ――赤い。赤い朱い紅いあかいアカイ、その光景を。血と炎に充ち満ちたあの思い出、を。 事故だった、と誰もが言う。けれど、そんな慰めなんて。当人に取っては何の意味も無い。 …奪われたのだ。あの日何もかも、を。機械の獣、ゾイド、と呼ばれる嘗て兵器だった存在の暴走に。 「……このチカラ、を。絶対に――――あたしは」 闇の中。掲げた掌は…今はまだ、何も掴めていやしない、が。 其処にあの兵器の全てを――手にする事が出来た時。はたして、それは紅く染まっていないのだろうか。 ――――闇の中。その日の模擬戦を終えた二機のBLOXが佇んでいる。 開発者、の一人でもある男はそれを見上げていた……じっと。ずっと。 これを…この存在を。異形のチカラ、を人類の手にさせる事は、はたして正しい事なのか。 まるで、神々から炎を盗んだプロメテウス。さながら、地上の人々に武器を与えたエグリゴリ。 これから――戦争が起きる。闘いは一方的な物ではなくなって、人々は抗う為のチカラを手に立ち上がる。 「…後悔?するものか、よ。」小さく。剰りにも、小さく。 その声を聴くモノは…鋼の巨魁二つだけ。 「――――俺達がヒトとして、人間として此処に在ると証明する為に」 to be continued... 機体解説 中央大陸を突如襲った未曾有宇の完全機械化兵器集団「ORN」。 彼等の有する兵器「キメラ」を盧獲した共和国は、保護政策の元元来の生物へと帰化させていた 従来兵器「ZOIDS」の情報をそれに組み込み独自の新兵器を生み出した。 ――「BLOX」と呼ばれるその兵器の試作タイプがこの二機である。 不安定ながら十二分な性能を発揮したこの二機ではあるが、量産化の折には コスト面や他機種とのチェンジマイズの為のバランス等を重視して小型化・簡略化が施されている。 分類:小〜中型BLOX 搭乗者:先行試作BLOX運用チーム「Blue Lightning」 引っ越し以降仕舞い込んでいた初期型、を発掘しましたので。 それぞれ殆ど、レオブレイズとウネンラギアを二機ずつで構成しています――スピアだけが流用、と。 随分前にやっていたシリーズ、ですが。今回ようやっとストーリーをつけてみたのは。 …やはり、ドラゴン型好き様等の素晴らしさに影響されて、なのでした。(べしょっ) |
マリ君 | 2004/10/24 09:05:34 | ||||
レオが非常に格好良いです。 こういう装甲の使い方も有ったんですか。 某所の、M型のようで格好良いです。 ラギアも、爪を装甲に使っている辺りが、 かなり良いですし。 プロポーション的に、どちらも、かなり良いです。 それにしても、某所の、M型を見るたびに、 ライオン型が作りたくなってしまいます。 | |||||
【ホークイーグル】 | 2004/10/24 17:43:29 | ||||
私もレオに一票。(何? まさにブロックス版のブレードライガーみたいです。 でもレオブレイズ2体でこんなに格好よいものが作れるのですね。 勉強になります。 ラギアも二体使っていていいですね〜気に入ってしまいました。 今からでも作りたいですよ、この機体。 でも二体ももっていない(涙 | |||||
【空の鏡】 | 2004/10/24 22:18:47 | ||||
お久しぶりです。まさにこの作品には「美しい」という言葉が似合いますね。洗練された容姿が目を引きます。レオブレとラギアを2機ずつ使うことで、こんなに美しい機体ができるとは…圧巻です。 | |||||
江戸川次男 | 2004/10/24 23:13:16 | ||||
かっこいい。 2機とも脚や体がほどよく延長されていい感じ。 ウネンの背中の奴は、ディプロガンズですよね。僕持ってません。 ウネンなら2体あるんだけどなー。残念です。最近人の作品のだめだしばっかやってるんでスが(皆様ごめんなさい)この作品は言うことなしです。 かっこいい。 | |||||
YUKI | 2004/10/25 16:32:09 | ||||
コメント有り難う御座いますっ。 >マリ君様 初期型の機体達も、まだまだ。使い方次第で格好良さを引き出せるのではと。 プロポーションは大分考えつつ…基本的にブロックは増えておらず、 ジョイントで長さと可動域を少々継ぎ足している程度。ですがー。 M……雌型?げふっ。(殴られた) >ホークイーグル様 どちらかというと、やはり。ライオン型の方が人気なのは当然なのでしょうか。 帝国派恐竜派なのでちと残念、だったりやもな。(むむ) 二機はない、という方も多いと思います。私もレオブレは一機目を破損してやむなく、でしたので。 FZ版のマトリクスドラゴンが出るらしい、ので。機会やも? >空の鏡様 基本的にスマートな機体、が好きなのでした。 それ故機体全長等は変えつつも、幅増しはしない方針が。 この二体はフレームの豊富さも特徴だと思いますから、 量的な問題さえどうにかしてしまえば。まだまだ色々作れるのでは、とー。 >江戸川次男様 で。延長しつつ横幅が変わらない事で。スマートに見えるなら何よりなのでした。 キメラ側のパーツとの豪勢、に異を唱える方も居られますが。 このシリーズは「キメラを元にBLOXが開発された」というSTG的お約束の世界なので。 気にせず使ってしまうのでした。 …江戸川次男様、も。かくなる上はどんどこと作品を、なのです。 やはり作られた実例こそが雄弁な物、になると思いますから。 …男は拳で語れというのと。似たような物でしょうか?(ばく) | |||||
【光輝】 | 2004/10/25 16:56:06 | ||||
少し亀レスですが(汗 一言…かっこいい…です。 2つともどっちつかずで対照的な2機…やはりかっこいいです。w まともな感想になってないのですが、ともかく2機の特徴を良く捉えてこういうかっこいいものをつくってしまうYUKI様に乾杯!なのです。(やはり感想になってない…orz | |||||
タイフーン | 2004/10/25 21:18:40 | ||||
遅くなってしまいました; まずはひと言…カッコいいです。 レオブレの完成度は見事のひと言ですね…全身の延長と、両サイドのブレードの追加、そして槍を尻尾に装備した事で、スピード感と力強さを同時に表現できている点は素晴らしいです^^ 赤い装甲が某キャラを思い出させるのが私としては最高、なのです〜。 安易な例えでいえばレオブレイズS型といった感じでしょうか? エース専用機の風格抜群な印象でございます。 ストーリーも今後の展開を期待させてくれる仕様であり、BLOXという新たな兵器を手に入れた人類の戦いが楽しみであります…これから敵(キメラ)と人類(BLOX)が繰り出すであろう新たな兵器に期待しております。 | |||||
【ジェノ】 | 2004/10/26 20:28:09 | ||||
ゾイドもいい、バトルストーリーよし。 すごくいい作品ですね。 | |||||
YUKI | 2004/10/31 02:28:42 | ||||
遅れましたがコメント感謝なのでしたっ。(礼) >光輝様 特徴を変える事、は出来なかったというべきか。やはりあくまでそれっっぽく、で。 設定としてはオリジナルながら、作例としてはそれぞれの強化版として。 素直に見える代物になっていれば幸い、なのでした。 >タイフーン様 やはりブレード追加、は。ライガーシリーズのお約束なのではと。 …それで無くなった尾にランスを、というのは。実は苦肉の策なのですがー。(汗) 紅い装甲でエース、というと。彗星なのしか思いつかなかったのは何故かしらん…(駄目) ストーリー、は。大分前に作っていたモノ、なので。脳味噌から引っ張り出さねばな。 …ご期待に添えるかは解らないのですがっ。(わた) >ジェノ様 最近は写真写り、の問題を其処彼処で見る気がします。 …あまり人様の事を言えるレベルではない、のですがー… 明るさ調整の機能を今更理解する事が出来た為、 これを機会に今までの代物も少しずつ画像を直そうかと。 それ故のこのシリーズ再開、というのもありな。 | |||||