ゾイド格納庫 展示ルーム Ver.3 |
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色変え、ムラサメブレード大型化したLBムラサメです。 ムラサメライガー・オベロン ディガルド武国が滅び、人々が戦争から開拓へとその進む先を変えたころ、とある国の開拓団が発見した未開の島で見つかったのが、このオベロンである。 最早苔むし、体中にさびをつけたオベロンは、辛うじてまだコアは生きていたものの、訪れた開拓団を誰一人としてコックピットに導くことはなかった。 その後、応援に来たアイアンコングが二体がかりでオベロンの朽ちた体をどかすと、そこには小さな墓が一つ、見つかったと言う。 その墓と、そしてどこか悲しさを漂わせるオベロンの姿を見た開拓団は、やがてその島の開拓を中断し、オベロンを元の場所・・・小さな墓の上に戻してその地を去った。 それから幾度もの四季が過ぎ去り、文明が滅びる前とそう変わらない平和が世に戻りつつある今も、かつてとある開拓団が発見したあの島は、地図のどこにも載っていない。 主兵装 ムラサメブレード・・・かつて幾多の難敵を屠った大刀も、時の流れの前についにはその輝きを失った。 ソードキャノン・・・弾丸が発射されなくなって久しい二つの銃口は、まるで過ぎ去って行く時を見据える落ち窪んだ眼窩のようである。 カウルブレード・・・未だ、かつての輝きをいくらか残した鬣も、最早衰えて、眩しい光を受け流すには脆すぎる。 バイトファング・・・牙さえ残っていればいくらでも戦える・・・かつての誓いを宿した刃は、雄雄しくもまだ、その輝きを失ってはいない。 ストライククロー・・・大陸の土を踏みしめてきた四本の足は、今はかつての盟友を守る為に、湿った大地に根を下ろす。 ―古き獅子は夢を見る 大陸を駆け回った、若き己の幻想を 共に過ごした、一人の盟友との語らいを そして一滴の、悔恨と喜びを混ぜ合わせたような出来事を― その日、オベロンは全く不機嫌であった。 盟友が死してより五千年と少し、未だ、彼の求めるものが現れないからだ。 代わりに現れるのは、無粋な盗掘者や、開拓者とか呼ばれる暑苦しい野蛮な男たちばかり。 彼の腹の下に眠る、凛々しき面影を持ったゾイド乗りなどここ五千年、穴倉の中どころか世界中を探してみても見当たりはしないだろう。 特に、今日来た開拓者たちは最悪であった。 下見に来た男達に対し、ここ五千年空気の入れ替えもしていないコックピットを例によって固く閉ざしていたところ、奴等め、力任せに彼の体を持ち上げて、脇へと放り捨てて行ったのだ。 全く無粋な連中である。こうして元の位置に置き直されたら直されたで、今度は置物のように扱われたことに腹がたつ。 野蛮人どもめ、五千年と言う長い月日の間に、人間どもは、争いを繰り返すしか能のなかった文明すら忘れ去ってしまったと見える。 ・・・しかし、しかしである。 あの蛮人どもは、オベロンにとって、願ってもみないものを置いていったようだ。 それは人間の娘であった。口減らしか、山神様への生贄か、どちらにせよ、蛮族のやりそうなことである。 オベロンはふと、ここ五千年の間にずいぶんと曇ってしまったモニターでもって、目の前に置き去りにされた少女を眺めた。 暗い穴倉に一人置き去りにされて、少女はひどく心細いようだった。だがしかし、その目には諦めとは違う強い何かが宿っていた。 ふと、オベロンはある顔を思い出した。はっきりと思い出すのは久しい、忘れかけていたあの人の顔だ。 オベロンは、腹の下をもぞもぞさせながら少女の方へ視線を向けた。 ともすれば、土の下から正拳突きの一つも飛んで来るだろうかと心配したが、腹の下には相変わらず、湿った土があるだけだった。 少女はいきなり動いたオベロンに驚いたようで、不安げな視線をびくりと彼の方へ向けた。 オベロンは、なるべく怖くないように、けれど、威厳はあるふりをして、五千年間、口にしたことのなかった人間の言葉を口にした。 「・・・お嬢ちゃん、名は?」 少女は一度、かなり驚いて面食らっていたが、やがてほんの少し緊張して震えた声で、こう返してきた。 「カノン」 オベロンは、もしこの少女がおびえていなかったら、大声を出して笑ったに違いない。 彼は大声で笑う代わりに、五千年間閉じっぱなしだったコックピットを、さびやら苔やらを弾き飛ばしながら勢いよく開いてやった。 ―古き獅子は夢を見る 彼はかつて、今は無き別の名をもって大陸を駆け回った勇者であり 彼はまた、共に広い荒野を駆け回った盟友の墓を、五千年の間守り続けた騎士であり そして彼は、少しばかり浮気者であった― てな訳で、お久しぶりです皆々様。 LBムラサメ手に入れたときから、これは塗装したら化けるなー、なんて思っていたもので、早速やってみたんですけど・・・タッチの差で先を越された気分・・・。 改造箇所は、細くて短い脇差みたいだったムラサメブレードを大刀に。 これはソードウルフのバイオクラッシャーを削って作りました。結構色々言われてる軟質素材ですが、こういう加工には融通が利いていい感じです。 そのほかには特に手は入れてません。色がイマイチなだけで、キット自体の出来はすばらしいです、ほんとに。 ちなみに、今回のストーリーには色々ネタが仕込んであったり・・・。暇な方、オベロンとかカノンとか調べてみたら楽しいかも知れませぬ。 |
orihiro | 2006/05/07 00:40:56 | ||||
設定、物語ともに奥行きがあって素敵ですね。 武装解説のひとつひとつが繊細な詩のようで、凄く好きです。オベロン視点の物語も短いながら楽しませてもらいました。 作品の方、シブいカラーリングや大型化されたブレードも格好良いです。物語に合わせてウェザリングなどするとなおいいと思うのですが、それよりも鬣のエッジを削るのはお勧めです。 | |||||