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ロードフェンリル
ロードフェンリル
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YUKI
分類チェンジマイズブロックス
シリーズBBS(BLOX BATTLE STORY)
投稿日2005/01/01 02:31:02
最終更新2005/01/06 22:53:15
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Episode39「Moon of Brack Rain」

死。DEATH。此処、は。それに充ち満ちている。
 「――――正直如何ともし難いな」
 ジーニアスウルフ、そのコックピット内での呟きは。其処がたったヒトリで居られる空間だからこそだろう。
 搭乗するバルト・アバロン。彼は部隊の指揮官なのだから。弱い台詞なぞ他者に聞かせる訳にはいかないのだ。

 ……しかし。そう言ってしまいたくなるのも当然と言えば当然だった。
 キメラと呼ばれるかの存在達は、彼のような老兵にとっては理解の範疇に存在していない。

  明らかな異形。明らかな怪異。明らかな、悪夢。

 夢魔の悪魔の顕現したかの如き異形達、それこそがORN、それこそがキメラなのだから。
 …だが。今、彼等の目の前にはその異形達の屍が転がっている。
 パーツをコアを貫かれ噛み千切られ踏み砕かれ躙り潰され、完膚無きまでにその生命を途絶えさせられて。
 虐殺であり屠殺であり鏖殺であり。汚辱であり陵辱であり。そして――死、だった。
 「連中は何だろうな。…やはり我々ニンゲンとは違う存在なのだろうか。
 見た目は我々と似ているとは思っていたが――――こんなモノは」
 誰も。彼の部下達は誰も答えない。皆が押し黙り。身震いして。恐怖、に耐える事で精一杯。
 ――――それ程に。それ程、に恐ろしかったのだ。この、殺戮を巻き起こした張本人は。

 「こんなモノは――――ヒトの行いじゃない。」

                その行為、を。生物学的には『共食い』と呼ぶ。


「――――終わりだぜ。コイツ、で」
遠く。戦場はまた別の場所――――黒々と黒々と。雨に埋もれた哀しいセカイで。
ロードゲイルが進化した、アークエンジェルとの追撃戦は佳境にあった。
レオストライカー。エヴォフライヤー。ディスペロウ。
それ等を取り入れた新たなチェンジマイズである「M.D.F.(Matrix Dragon Final)……
このチカラによって。決闘の終焉は以前の真逆となりつつあった。
既に互い共が激しく損傷し限界を迎えるのも間近だろう――A.Angelに取り込まれた愛機の傷に、
そ、とコトリが目を伏せるのは忍びなかったが……だが。決着はつけなければいけないと思う。

 此処には。機械の獣に全てを奪われた者が居る。
 己が造り出した兵器の為に贖罪を願う者が居る。
 開戦の最中戦友を失って、復讐を望む者が居る。
 自分の生命と力を証明せねばいけない者が居る。
 傷つき続ける人達に、希望を与えたい者が居る。
 …トモダチ、を。取り返したいと祈る者が居る。

――――闘わなければ。闘わなければいけない者達、なのだから。

ぎちりと音を立て操縦桿を握り直して。……嗚呼。そうせねば最早抑えられない程に。
この竜、も――レオストライカーも猛っていた。
嘗て己を破壊したそのキメラの王に。今度こそ立ち向かい勝利せん、と。
”あぁ。でも。それでもそうはいかないな――ソイツは” 「!?」
今、まさに。踏み出そうとしたその瞬間だった。眼下背後から砲撃を受けてM.D.Fが揺らぐ。
……何時からだろうか。ソレが其処に現れていたのは。砲塔を背負った角竜と甲骨魚のキメラ。
『スティル……レギナルド、か。呼んだ覚えはない……』
喘ぐような苦声。AAの内部から。……誰にも見えはしなかったが、その少女の声に。
彼の唇には確実な笑みが…嗤み、が。浮かべられていた。……この時を待ち望んでいたのだから。
”そいつは。俺のオンナ、だ”  『!?』  「……、っ!?な…に、を…?」
冷酷に冷酷に。何もかもを己の欲望に忠実な男は言ってのけて。――――さぁ。
さぁ、交わろう。ヒトツになれるこの快楽。それがオトコとオンナであって、生命の根幹なのならば。

               「――――――――チェンジマイズ。」


  ”あはは……あはっ、あはははははははは! ぁはははは…はははははははははッ!!”
  笑う。哂う。嗤う。それは笑い続けている。
  それ程に楽しかった。愉しかった。今、己という存在を確信出来るという事が。
  大地を駆ける事の出来る脚。何かを掴む事の出来る手指。
  空を見上げられるこの瞳。感情を言葉に出来るこの唇、それを知覚出来るこの鼓膜。
  何もかも――そう、コレ等の何もかも、を。元来己は持ち得ていなかった。

  データベース上の情報という存在でしかなく、肉体を有しておらず、三次元のこの世界に干渉など出来ず。
  唯…唯、そんな世界に生命に。憧れ焦がれ恋する事しか出来なかった……それはもう、お終い、だ。
  手の中にはコンソール。触れるだけで意思を伝える事が出来る。
  意のままに白銀の魔狼は踊る。躍る。その牙を爪を刃を振るって、万物に抗い闘える。
  出来損ないの同胞達、鋼の肉体を与えられたツクリモノの異形達を支配出来る。
  嬉しかった。喜ばしかった。まるで、この世の全てに触れられているような多幸感。
  世界の全てが己を祝福してくれているとすら信じられてしまいそう――嗚呼。
  嗚呼。なんて、この世界はこの惑星は美しい。生誕の聖讃を超過した快楽にココロが躍る。

  ”これが……そう、これが。――『イキテイル』という事実」

  途中からは声帯を使い音声として。更に、更にその認識を自覚し確信し続ける。
  Trinity――肉体と。精霊と。魂と。そんな思想は…確か故郷の原初宗教のモノだった、か。
  情報の一端としか知らないそれを、だが少しは信じてみたくもなった。…肉体。それは剰りに素晴らしい。
  そう、交わった。ヒトツになったこの恍惚。それが肉体と意識であって、生命の在り方なのならば。

             「生きている――私はっ!今、此処に確実に――――!!」

                                              ...to be continued.

機体解説
ゲイルタイプに準ずる特徴を持ちながら、ロードゲイルとは異なった謎の機体。
キメラを率い連合軍へと攻撃を仕掛けてくる事からORNの機体と思われるのだが、
無差別に彼等をすら破壊する場合を見せる為、その詳細は不明のままとなっている
(後に、「DIS-HUMAN」の外部端末である「セイントゲイル」の一形態と判明)。

――同シリーズの他機種と異なり地上戦に特化され、
計四本のマグネイズスピアとスパイクシールドによる格闘戦を得意とする。
全てのスピアを収束させフィールドを形成、機体毎突撃する必殺技「L.W stream」は、
ブレードライガーのシールドアタックに匹敵する破壊力突破力を持つ。


何だか突発的に。ビジュアルイメージはドラゴン型好き様のバーゲスト、等にかなり影響をでしょうか。(土下座ー)
やはりキメラは格闘、のイメージが強い為とにかくそんな印象ばかりを強化しつつ。
某リターンズ並に細すぎ長すぎかもしれませんが、いっそこのくらい突き抜けちゃうという方が。
一種のディフォルメというべきか強調というべきかになるのかもしれません。

【ホークイーグル】2005/01/02 20:34:53

非常に格好良いですね。
体も細長くて私好みの竜ですよ。
それに、バランスも良いですし。
【オート馬人・兄】2005/01/03 17:00:59

いつもながらですがヤバ格好良かったので、バトスト載ってからコメントしようと思ってたら遅くなってしまいました(汗
スティルのシールドがこうも合うとは思いませんでしたよ。あと前足サイドの背骨パーツ。こういうの大好き。バトストもなんか凄い。オトナって感じです。「チェンジマイズ」の一言がこんなにかっこよく聞こえたのは初めてですよ(笑
【ドラゴン型好き】2005/01/06 00:07:17

確かにバーゲストなので・・・
まさかアレを参考にしていただけるとは恐縮なのです。
バゲが地味なのに対してコレはトゲトゲしててかなり攻撃的な感じが素晴らしい。
クネリと曲がる腰が、大きな肩のせいで鈍重に見えてしまうシルエットに
機敏な印象をプラスしていていい感じかと。

バトストの方は、いいとは思うのですが、いかんせん、判りづらいです。
まぁコレまでのバトストをまともに読んでない(失礼。。。)のもあるのでしょうが、
喘ぐような苦声。AAの内部から。〜生命の根幹なのならば。の間の
セリフとか描写が誰のものなのか良く判らなく、
哄笑以下の文も誰のどうゆう状況での描写か判らないです。
恐らくRフェンリルのパイロット、人外で以前はデータだったモノなのでしょうが・・・。

ぬぬ、なにやら生意気なこと言ってしまって申し訳ないです。
YUKI2005/01/06 22:53:15
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や、と。コメント感謝なのでしたっ。

>ホークイーグル様
細長く、はかなーりコンセプトに。
解説にも入れた通り、某チーターがイメージの一つだったりしますので。
その辺に関してはバランスが悪い、と言われる事を覚悟していたのですがー…
意外と、そうでもなかったようで幸いな。

>オート馬人・兄様
お兄様ッ!(?)
ザクの肩アーマー、みたいなモノでしょうか。肩にトゲトゲというのは。
僅かだけながら可動したりもするので武器にもやも、と。
…背骨ー…1フレームだと流石に細すぎたので。
バトスト、は。もう大分ややこしいばっかりなのですが。そう申して頂ければ何より、な。
――チェンジマイズ。今だともうユニゾンって言ってしまうのかしらん。(めそ)

>ドラゴン型好き様
前々から。高速四足型としてマイフェイバリットだったのですバーゲスト。
なので此方こそ申し訳なさいっぱいだったり、なのでした。が。
彼方が(オプションで)射撃武器もついて居られたの故でしょうか、格闘メインにしたのは。
ロドゲのジョイント。BIOにも使用されてるようで、やっぱり有用なのです。

ストーリー。…実はかなーり実験的に。
ドラゴン型好き様指摘の部分を態とぼかしてみたりしていたのでした。(汗)
「言葉、イメージ、シチュエーション。それだけで何処まで伝えられるか」とか。
「想像させる事が出来るか、思わせ勘ぐらせる事が出来るか」とかとか。
…書くのはともかく。読み手の事を考えない、みたいで問題だったでしょうかと。
其処に関しては平にご容赦を、としか申せないのです。(陳謝)

…取り敢えず操者に関しては正解っ!で。…後のラスボス。ですにぇ。(’’)

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