ゾイド格納庫 展示ルーム Ver.3

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ヴァッサーフロウ
ヴァッサーフロウ
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YUKI
分類チェンジマイズブロックス
シリーズZiファイターズ
投稿日2004/07/05 02:10:32
最終更新2004/07/05 02:10:32
閲覧数2648
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機体名:ヴァッサーフロウ(ミジンコ型)
搭乗者:無し(遠隔制御)
得意技:無し
登場Episode:「つばさ」

新興企業Zi-ARMS社製の無人BLOX。性能は当然低い物でしかないのだが、その安定性とコストパフォーマンスは
一般へもゾイドが浸透しつつある現在の社会にとって非常に受け入れやすい物だった。
各種企業や施設の警備、警察機構軍事機構等でも大量に配備されている他、非武装の有人機は民間でも多数が
売買されている、現在最も流通している機体の一つ。
基本的に指揮能力を持ったゾイドからの指令を各自で中継、複数機によるネットワークを形成して行動する。
……大企業ZOITECの影響が強い東方大陸で、基盤の弱い新興企業が台頭出来るきっかけとなった機体でもある。


Battle Story-2
 ――――目を閉ざせば視界が広がった。視覚という短絡的な感覚を放棄した事で。逆に、他の感覚が目を覚ます。
 神経網がネットワークに。頭脳と電子頭脳が一つの並列コンピューターに――
 ヒトの五感どれもと異なる、それは有機と無機の超越にして合一。ヒトの頭脳から、機械への入出力を行う技術。
 神経伝達物質が強化され、思考とそれを読み取られての機体駆動には殆ど遅延が無く。
 同時に、成長によって間引かれる事の無かった余剰な脳細胞が、第六感的に全ての把握力を高めている。
 ……でも。
 それ等の為に代謝は効かず成育は抑制され行動と人格は規制されている。この実験機の「部品」。
 ――わたしは。この猛悪なる機械に組み込まれた鳥籠の鳥。…空を、知らない。

イシュタルエッジのような大型化してしまった空戦機体の難点は。上空に至るまでのタイムラグの大きさにある。
現に今地上から飛び立つ猶予すらない集中砲火に、機体の彼方此方から損傷を告げるサインが押し寄せていた。
くそ。と苛立ちと焦りが半々の悪態を零す――揺れる操縦席にしがみついたニクス-。
こうやって襲撃を受ける事は、「抜け出した」段階で解りきって居た事ではあるのだが。…だが、相手が悪い。
悪すぎるという方が適切かもしれない。モニターに映し出される、小型軽量の浮遊無人兵器達。
大量のそれ等全てを、しかし実はたった一人の人間が支配し制御しているなど信じられるだろうか……
だが、出来るのだ。「彼等」の中にはそういう為の存在も居るのだから。
「ぅく…ぁ、っ――!」ばんっ、と派手な音がする。画面の一つが弾けて砕けその破片を撒き散らしたせいで。
遅れてやって来る痛みに頬を抑えてみれば…さっくりと其処に傷が生じ血が滲み出していた。
「クソ…顔は女のイノチ、だってっ!」八つ当たりめいて地上のまま小口径の火器を乱射するが。
決定的にその数が違いすぎる。数機墜とした所で、状況は全く好転する事がない。
じわじわと。じりじりと。そのまま追い詰められていく…………一歩、一歩。死が近付いてくる。
焦りが。怯えが。彼女の心を占有し支配しつつあった。

 「――――――」
 よくやる、とは思う。圧倒的不利な状況にも関わらず、は相当に粘りを見せている。
 並大抵のZiファイターであれば、とっくにその機体はシステムフリーズか機能停止かに至っているだろう。
 でも……それだけ。そう、それだけだ。勝利がどちらの手に在るかは変わらない。時間が掛かる、だけ。
 愚かしいと思い…そして同時に、少しだけ憧憬と。羨望と。そして嫉妬が心に過ぎる。
 あの、彼女を支えているのはきっと。亡き者へと想いなのだろう。
 それがどういう感情なのかという事は、肉親など存在しないわたしには解らないのだけど。
 唯……そのような想いや情が、計測出来ない力となっているのだとは解る。
 どれだけ技術が進歩してもそれだけで闘いの行方が決まらないのは。そういった意思が介在するからだとも。
 ……人と獣は、心に左右される。それを忘れる事が出来ない。…「部品」でしかないわたしでさえも。
 小さな息を吐いたその時だった――遠距離からの接近を示す警告音――速い。これは…一体?

「…ぁ…ああぁぁっ!?」
また、火花と硝子の欠片が飛び散った。煙でモニターが良く見えない。いや、目の方が弱っているのだろうか。
人も機体も満身創痍、の一言のみで形容される状態だった。…ぬるりと。瞼に血が滲む。
駄目だ、と。これ以上はどうしようもないと。諦め、だろう寒いモノがニクスの脳裏に居座っている。
だが…良いか。トドメを刺す気なのだろう、集結しだす無人機達を感じながら…ふと。そんな風に考えた。
非科学的極まりないが、仮に死後の世界というのが存在しているのなら…会えるかもしれない。
――――もう居ない、あの人に。大好きだった。己にとって全てだったあの人に。「…ねぇ?セレ――」
その名を、しかし。最後まで呼ぶ事は赦されなかった。
電荷を纏って超高速度で駆け抜けた弾丸が。無人機達の集団を貫き一気に爆砕していったその為に。
「人をさんざっぱら不安に貶めるわ財布の中身を心許なくさせるわしておいて……
そのまんまはいさよならなんざ言わせるとでも思ったのかよっ!」 「……ス、ティ?」
電荷の弾丸を解き放った天狼が。彼女等の間際に降り立っていた。半数以上を撃破され、
だがまだ改めての攻撃を再開する無人機達と渡り合い始めながら声を荒げ彼女へ叫ぶ。
「俺が…何を忘れているのか、忘れたがっているのか。解らない……だが、キッカケはお前だ。
巻き込んだのはそっちなんだからな――――責任は取るし、取って貰う、覚悟しておけ!」

 「……!」驚き、が。聞こえたその傍受音声によるものだと。少しだけ遅れて理解する。
 好都合だと言えば好都合なのかもしれない、けど。想定はしていなかった。此処で発見するなんて。
 「――――そう。それが目的だったんですね。彼に……""に出会うのが」
                                                          to be continued...


大分前の作品だったりするのですが。やっとこさデスレイザー等が手に入りつつも、
忙しさに手を着けられるまでまだ数日かかりそうなので。次回投稿予定のソレを使った物の前哨戦。
…ひょっとすると、今まで自分が造った物の中で。最もモチーフに近いやもという。
こんな所で自信があるのは良いのか悪いのかー。(汗)


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