プロローグ



「ったく、早くどっかの町にありつかねえと…」
 視界の開けた砂漠。帽子をかぶり、黒いマントで全身を覆っており、裾が手袋を先につけた腕を隠していた。
 彼はゾイドさえいない町から出た。廃墟だった。コマンドウルフや、ゴドスの残骸が見られた。珍しいことではなかった。
 ゾイドさえいない廃墟…。そう思っていたとき、目の前にモルガが突如出現した。
「貴様はここに何しに来た?」
 若い青年の声。
「水が欲しいだけだ。」
「愛機のゾイドには積んでいないのか?」
「愛機さえいない俺にどう積めと言う?」
「嘘だろ?この町は他の町から離れているんだぞ?不審者め!!」
 モルガが突進した。彼はそれを見ていたが、後退することはなかった。
 そして、ぶつかった。
「対したことのないゾイドだな…」
 彼が両手で、モルガの機種を押さえていた。少し下がった程度だった。
「嘘?貴様…、どうして…?」
「はん、好きでこの体になったわけじゃないさ」
 独り言をぼやいて、モルガの機種にこぶしを殴りつけた。モルガのコクピットを守る、突撃用の分厚い装甲を突き破った。
「あまり、俺には関わらないほうが良い…」
 そう彼は言い残し、モルガの前を去った…。


トップへ第1話前篇へ